社長の酒中日記 4月その1

4月某日
大分市長選挙に立候補した椋野美智子さんを「勝手に応援する会」で集まったカンパを集めに大分へ。大分空港からバスで1時間ほどで大分市内へ。市役所のほうと勝手に思い込んでいたけれど事務所が見当たらないので電話したら駅の反対側だった。慌ててタクシーで事務所の住所へ向かうと新築のビルの1階に大きな「椋野事務所」の看板があった。さっそく、椋野さんと選挙の応援をしてくれている吉良さん(吉良代議士の弟さん)にカンパを渡す。椋野さんは元気そうで「1月までは選挙に出ようなんて思ってもいなかったのよ」と明るく話す。私が「子育て支援など社会保障政策の推進を訴えれば勝てるよ」というと「そこまで聞いてもらうのが大変なのよ」と。なるほどね。長居してもなんなので、今夜の宿の別府へ。別府行きの特急に乗ったつもりが熊本行きで最初の停車駅で大分に戻る。そんなこんなで別府のホテルに着いたら10時近かった。温泉には翌朝入ることにして寝る。

4月某日
大分空港から伊丹空港へ。伊丹空港から京都嵐山の天龍寺へ。かなり前から会社が維持会員か何かになっているようで毎年、花見に呼ばれる。天龍寺に着くとHCM社の平田会長が迎えてくれる。平田会長は天龍寺の前管長、平田晴耕師の実弟。前管長は確か東大の印度哲学を出てドイツへ留学したという英才だが、平田会長は同志社大学に入ってスチールギターを弾いていたという変わり種。大変、洒脱な人で私は尊敬している。花見の前にはいつも講演があるが、今年は同志社大学の先生が白隠について話してくれた。宴席に移ってビール、日本酒、お弁当、おでん、お蕎麦をいただく。2次会は祇園のバー「くろこ」へ。平田会長は神戸に住んでいる。私も京都に宿をとれず、尼崎のホテルにしたので新幹線で新大阪まで一緒に帰る。

4月某日
尼崎から西宮へ出てタクシーで関西学院大学へ。人間福祉学部坂口先生にグリーフサポートの調査研究についてアドバイスをいただく。坂口先生はたいへん謙虚な方で私のつまらない話にも真剣に付き合ってくれる。関西学院大学から京都の同志社大学へ。厚生労働省から同志社に移った井上恒夫さんを訪問。井上さんには東京へ来たら連絡ください、呑みましょうと約束する。同志社大学から京大へ。本部に厚労省の事務次官から京大の理事になった阿曽沼さんを訪問。ほどなく元住宅情報の編集長の大久保京子さんが来る。大久保さんが予約してくれた焼き鳥屋へ向かう。ここの焼き鳥は、モツとモツの間にタマネギの小片を挟んでいるのが特徴。私の故郷、北海道室蘭の焼き鳥は、豚肉の正肉にタマネギを挟んで洋辛子で食べる。ちょいと故郷のことを思い出した。

4月某日
京都から名古屋へ。我が家ネットの児玉さんと面談。福祉住環境コーディネーターのフォローアップ研修について意見を聞く。ニーズはありそうだ。途中から住快護創造ネットの小多美恵子さんが参加。小多さんは30過ぎてから大工に転身したという。体つきは華奢だが精神がタフなのだろう。

4月某日
「月次決算の進め方」(金児昭 日経文庫 05年12月)を読む。著者は信越化学で経理財務部門一筋で来た人。月次決算の基本というか、なぜ月次が重要なのかがわかったような気がする。つまり本決算や半期決算、四半期決算を待っていたのでは迅速な経営判断ができないということに尽きると思われる。

4月某日
「財政危機の深層―増税・年金・赤字国債を問う」(小黒一正 NHK出版新書 14年12月)を読む。著者は京大理学部卒業後、糸唾し大学の博士課程を修了、大蔵省に入省。現在は法政大学経済学部准教授。専門は公共経済学。先月読んだ「社会保障が経済を強くする」では財政再建のためには社会保障を中心とする歳出削減を行わなければならないとする考えは誤りと主張していたが、本書は年金を中心に社会保障には大ナタを振るわざるを得ないし、そうしなければ日本は沈没するだろうという指摘だ。
私は将来世代にできるだけ負担を先送りしないという観点からは財政再建派である。と同時に「子育て支援」など社会保障の充実によって経済成長を図るという意味からは社会保障推進派である。ただ社会保障ならばなんでもかんでも推進すればいいという考えではない。年金については世代間の公平性という観点からは削減はやむを得ないだろう。生活保護には自立支援の考えが大切で社会復帰をどう図るかが必要だ。また社会保障を税金と保険料のみで賄うのではなく互助的な考えも必要になってくると思っている。メリハリの効いた社会保障改革が必要なのだ。

4月某日
社会保険研究所発行の介護報酬関連の図書を介護関連団体へ営業支援を行っている。研究所の志賀ちゃんに頼まれた。今日はCIMネットワークの二宮理事長の後、介護クラフトユニオンへ。副事務局長で政策部門長の村上久美子さんに会うためだ村上さんとは数年前に2,3度呑んだ出だが覚えていてくれた。図書の紹介などをお願いする。雑談をするうちに当社の元社員が介護クラフトユニオンの幹部の奥さんになっていることが判明。世間は狭い。竹橋もホテルKKRで「へるぱ!」の編集会議。会議が終わった後、社福協の本田常務も交えて食事。私も当然、参加しなければならないのだが、我孫子で会合があるので失礼する。我孫子の会合は川村女子学園大学の副学長の吉武さんと、吉武さんと厚労省同期で元衆議院議員の大泉博子さん。場所は以前使ったことがある我孫子駅北口の「美味小屋」(うまごや)。6時の約束だったが30分ほど遅れた到着すると2人はすでにビールを飲んでいた。遅れた我孫子で「地産地消の会」をやっている中沢さんが登場。中沢さんは富山県砺波市出身。なかなかの資産家らしいが感じの良いフツーのおっさんだ。

4月某日
社内でグリーフケアの打合せを高本さんと当社の浜尾と3人で。引き続きSMSと打合せ。6時半過ぎにSMSの長久保さんと葡萄舎で合流。大分空港で買ってきた麦焼酎を2本空ける。

4月某日
社会福祉法人サンの職員採用の面接を西村理事長と。出版社の採用面接とはずいぶんと違う。今日面接した人は優しそうな人だった。私にはそれぐらいしかわからない。勉強します。元厚生労働省の宇野裕さんが来社。「椋野さんを勝手に励ます会」には参加できなかったけどと言って、1万円カンパをいただく。宇野さんは厚労省を辞めた後、社会事業大学で専務理事を務めた後、今は住友生命の顧問と筑波大学の准教授。2つの名刺をくれた。筑波大学では被災者支援の研究をやっているということでグリーフサポートにも関心を示してくれた。一緒に研究をできればと思う。山形・庄内料理の店「このじょ」へ。結核予防会の竹下専務が参加。