6月某日
消費増税が再延期された。愚かなことだと思う。経済学者の吉川洋氏が6月3日の日経朝刊で「消費増税を延期する理由が私には分からない。4月の有効求人倍率は1.34倍と24年ぶりの高水準。失業率は3.2%と完全雇用に近い。今でなければ一体いつ増税するというのか」、さらに「増税を延期したのに大型補正予算を編成する方針も理解に苦しむ。(中略)完全雇用状態にある日本で増税を延期して補正というのは理屈に合わない」と語っている。全く正しいと思う。消費増税は赤字国債を発行してきた過去のツケを払うためには避けられない選択である。過去のツケを将来世代にまで払わせるのは理屈に合わない。与党の自民、公明党も野党の民進党も再延期では一致しているという。ポピュリズムとしか言いようがない。2年半後に景気が回復しているという保証はどこにもない。リーマンショック並みの不況、東日本大震災並みの大災害の可能性だって否定できない。そのときどうするのか。再再延期するというのか。その責任は誰がとるのか。
6月某日
厚生労働省に武田政策統括官を訪ねる。シルバーサービス振興会に行くまで時間があったので26階の喫茶室へ。喫茶室は中華料理店に代わっていたが、ドリンク類もあるというので入店。私はビールを頼む。共同通信の城記者に26階にいるとメールしたら来てくれる。
城さんもビールを頼む。シルバーサービス振興会へ行って柳沢さんに「キャリア段位制度」の広報についてアドバイス。ついでSMSでカイポケビズという雑誌の記事の打ち合わせ。「カイポケ」というのは介護請求ソフトにいろいろな機能を付加した優れもの。介護事業者にとって管理コストの削減が急務となっているが、カイポケはその力強い味方となると考えられる。でも「広報が弱い」と感じた。担当の山田さんに率直にそのことを話す。5時半に葡萄舎で昔、当社にいた村井と待ち合わせだったが30分ほど遅刻。当社の迫田、HCMの大橋社長も参加。
6月某日
図書館から借りた「祖父 大平正芳」(渡邊満子 中央公論新社 16年2月)を読む。総理大臣在任中しかも総選挙の演説中に倒れ、死んだ大平正芳の孫娘から見た評伝である。大平は財政再建のためには一般消費税の導入が必要と考えていたのだが「この新税導入に対しては、野党はおろか与党自民党内からも厳しい反対に直面して断念し、加えて党内抗争に疲れ果てた結果、初の衆参同時選挙のさなか急死した」(同書「消費税という十字架」より)。やっぱりなぁ現代の政治家とは違うね。真のステーツマンというべきであろう。
6月某日
訪問看護事業を展開している(株)ホスピタリティ・ワンの高丸社長を港区海岸の同社にSCNの高本代表理事と市川理事と訪問。高丸社長はほかに納棺士を養成する「送り人アカデミー」の校長などを務める「終末期ケア」の草分け的な存在らしい。高丸さんは慶応大学の看護学部出身で博士課程まで修了している。しかも背が高くイケメン。しかも事務所が高丸ビル6階というから資産家(本人または一族が)と思われる(下世話な推測でスミマセン)。一昔前に流行った所謂「三高」ね。しかしこちらの質問にとても丁寧に答えてくれて感じのいい青年だった。事務所を辞して高本さんと市川さんが「ゆりかもめ」の「日の出」駅の方に行こうとするので「あれ!水上バスで浅草行くんじゃなかったの?」と言うと「じゃいきましょう」と水上バス乗り場へ。日の出桟橋から浅草まで隅田川を上る。天気は快晴、高本さんがビールを買ってくれたので気分も最高!浅草では市川理事が前に行ったことがあるというお店に行くことにする。「どんな店?」と聞くと「料理は普通で出てくるのが遅いの」。「なんじゃそれ」と言いながら暖簾をくぐると、一見すると下町の普通の居酒屋。私は宮城の日本酒「伯楽星」を頼む。市川さんの前評判とは違って料理もおいしく普通のスピードで出てきた。
6月某日
中央区で「家で死ぬ町づくり」を進めている「はじめの一歩の会」の篠原良子会長にインタビュー。SCNの高本代表理事と市川理事、フリーライターの香川さんが同席。篠崎さんは学校を卒業後、父親の経営する繊維会社に就職、はじめは総務に配属されたが「つまらなかった」ので営業へ。キャリアウーマンの「はしり」かもしれない。仕事を続けながらボランティア活動も始めた。話の端々に「島津さんが」と出てくるので、「旧皇族の?」と聞くと「そうです」。今上天皇の妹で島津家に嫁いだ島津貴子さんのことでした。
6月某日
神田駅南口の葡萄舎で健康生きがい財団の大谷さんと待ち合わせ。葡萄舎には私がこの会社に入ってから通い始めたから、もう30年以上通っていることになる。マスターの賢ちゃんは元東京電力。20代のころインドを放浪しそのとき本場のカレー料理を身に着けたらしい。今でも看板メニューはカレー。ランチは普通のご飯がつくが夜はフランスパン、これはこれで美味しいがランチもおすすめだ。大谷さんは前に一緒に飲んだことがある元国際線のキャビンアテンダントを連れてきたが彼女(失礼!名前を失念)も「デリーで食べたカレーの味がする」と言っていた。彼女は宮城県石巻出身で石巻の話で盛り上がった。