2月某日
社長を辞めて出勤時間を遅くしてもらった。社長のときは9時前に出社するようにしていたが、グリーン車を使っていた。費用は会社持ちである。出勤時間を遅くしたら普通車でも座れるようになったので原則、グリーン車は使っていない。通勤時間の使い方だが、朝は日経新聞を読み帰りは単行本を読んでいることが多い。深酒したときは別ですが。さて今日は帰りの電車で読む本がないことに気付いた。家に帰れば読む本はあるのだが、こういう場合は本屋によって文庫本を購入する。厚い本、内容の難しいものは敬遠する。虎ノ門の虎ノ門書房に入り文庫本を物色する。このところ凝っている桜木紫乃の「ワン・モア」(角川文庫 平成27年1月 2011年11月に単行本)を買う。安楽死事件を起こして離島に飛ばされた女医の美和が、高校の同級生でやはり女医の鈴音に懇願されて鈴音の医院に赴任する。鈴音は末期がんの宣告を受けていたのだ。舞台はやはり道東。桜木紫乃の小説は基本的にはウエットだと思う。人情ものと言ってよいのではないか。道東の乾いた風土との調和が何とも言えない魅力になっていると思う。
2月某日
奈良の天理市のNPO法人つむぎを訪ねる仕事があったので京都で阿曽沼さんに会うことにする。阿曽沼さんは元厚生労働次官で、今は京都大学の理事。京都には私が脳出血で船橋リハビリテーション病院に入院していたときの主治医、澤田先生が京都府立医大にいるので一緒に会うことにする。澤田先生は現在、京都府立医大のリハビリテーション学科で教えているので阿曽沼さんは京都府立医大近くの徳寿(のりひさ)という和食の店を予約してくれた。阿曽沼さんと始めていると澤田先生が来る。澤田先生は当直医のバイトがあるとかでノンアルコールビール。元厚生官僚とドクターということもあって共通の話題も多く(私は官僚でもドクターでもないが)、翌日、澤田先生から「楽しい時間をありがとうございました。楽しすぎてトイレに行く時間ももったいないくらいでした」というメールが来ていた。阿曽沼さんにご馳走様でした。
2月某日
京都から近鉄で天理へ。セルフケアネットワークの高本代表と1時30分に改札で待ち合わせ。時間があるので前にテレビで見た「天理スタミナラーメン」を食べに行くことにする。700円の普通盛りを頼む。確かにおいしいが年寄り向きとは言えないね。天理本通りをぶらぶらする。古本屋で半藤一利の「ノモンハンの夏」を160円で購入。定価は590円である。高本さんと合流してNPO法人つむぎへ。つむぎでは「40歳からの介護研修」についていろいろと教えを乞う。この事業所はICTで事務管理部門を徹底して合理化する一方、職員の労働の密度の最適化を図り、コストを圧縮している。感心した。天理から京都へ。高本代表は東京へ帰り、私は「わがやネット」の児玉さんたちと会いに名古屋へ。
2月某日
Apple銀座で介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」についてのトークイベントが開催されるというので健康生きがい財団の大谷常務と聞きに行く。スピーカーはデイサービスを経営している(株)グレートフルの岩崎英治代表取締役、NPO法人Ubdobeの中浜崇之理事とエス・エム・エスの介護事業支援部の藤田和大グループ長、モデレータはフリーアナウンサーサーの町亞聖さん。天理のNPO法人つむぎの話を聞いたばかりだったので非常に面白かった。月末、月初の介護報酬の請求事務が大幅に省力化されたこと、送迎の経路を「カイポケ」でシステム化したことなど参考になった。省力化された時間で職員と職員の家族との食事会を開催したり子ども食堂を始めたりと職員や地域に還元しているのもさすがですね。終わってから大谷さん、東京福祉専門学校の白井副校長、撮影に協力してくれた横溝君、SCNの高本代表、当社の迫田と丸の内北口の「ヴァンドゥヴィ」で食事。
2月某日
立川のNPO法人やわらぎの事務所で「児童虐待防止パンフ」の打合せ。石川代表と絵を描いた成川君、やわらぎの楮さん、フリーの編集者の浜尾さんが集まる。事務所近くの蕎麦屋さんでお昼をご馳走になる。石川代表にトークイベントの話をすると的確な反応が返ってきた。石川さんは介護の事業で業務の標準化の必要性に早くから気付いていた人だ。ロボットにも興味を持っており産総研の委員もやっているそうだ。