8月某日
新宿歌舞伎町の「ジャックの豆の木」店長だった三輪さんは、「ジャックの豆の木」を閉店させた後、奥さんの実家がある鹿児島に転居した。それでも年に何回かは上京するので時々会う。今日は会社近くの青森料理の店「跳人」で17時に待ち合わせ。三輪さんは鹿児島物産店で「軽羹」や「さつま揚げ」などおいしいものをいろいろ買ってきてくれる。新宿時代の話を色々聞かせてもらう。我孫子に帰って駅前の「愛花」へ。ゴルフショップを経営している福田さんが来る。福田さんは20代に交通事故で瀕死の重傷を負い日本医大の手術で一命を取り留めた。逆境を跳ね返した強さを感じる。
8月某日
図書館で借りた佐藤雅美の「怪盗桐山の藤兵衛の正体-八州廻り桑山十兵衛」(2017年7月文藝春秋)を読む。「オール読物」に2014年11月号から2016年12月号まで断続的に発表されている。桐山の藤兵衛を頭目とする強盗団が桑山十兵衛の管轄する関八州を荒らしまわったが、20年前に犯行はぴたりと止む。十兵衛はひょんなところから藤兵衛の手がかりを得て一味を追う。幕府の広大な放牧場が下総小金にあったが、そこで馬の世話をする牧士がからむ。小説の舞台は江戸を中心に伊勢崎、太田宿、足尾などに広がるが、十兵衛が犯人の即席を追って松戸、柏、我孫子、木下(きおろし)という今でいう常磐線、成田線界隈を辿るのも私には面白かった。我孫子、木下は江戸時代、利根川による水運の要地でもあったのだ。
8月某日
天理市の介護事業者、有限会社あいネットを取材。社長の中川さんとNPO法人つむぎの山本代表に当社の迫田と話を伺う。グループ全体の前期の売上げは1億2000万円、純利益は790万円、利益率は6.5%、うち小規模多機能(美心逢)が売上げ7300万円、純利益760万円、利益率10.5%、デイサービス(つむぎ)が売上げ2100万円、純利益8万6000円、利益率0.4%、訪問介護(ゆうゆう)が売上げ2800万円、純利益が150万円、利益率5.5%。今期の4-7月ではグループ全体で49000万円を売上げ、純利益は870万円、利益率は17.6%と好調だ。小規模多機能が売上げ2900万円、純利益620万円、利益率21.5%、デイサービスが売上げ920万円、純利益180万円、利益率19.6%、訪問介護が売上げ1050万円、純利益60万円、利益率5.5%。デイサービスの稼働率が上がったことが高収益につながった。職員の仕事の見える化を図り、パソコンを活用して管理コストを削減したこと、さらに仕事のムダを減らして労働密度を上げてきたことも大きい。
夜は京都で元厚労省の阿曽沼さん、阿曽沼さんと同期の田中耕太郎さん、それと2人より3年入省が早い堤修三さんと食事。の筈だったが食事の場所がわからずウロウロしているうちに携帯が電池切れに。コンビニを探して充電器を買い求め近くのアイリッシュパブ、ダブリンで充電、聞いたことのないアイリッシュウィスキーを吞む。充電が進んで携帯を見ると阿曽沼さんから10回以上も電話が。阿曽沼さんに電話すると見当はずれの場所を探していたようで「タクシーで来い」との指示。やっと「先斗先太」という料理屋にたどり着く。3人に平身低頭して謝る。
8月某日
奈良の橿原神宮前の社会福祉法人うねび会の「ぽれぽれケアセンター白橿」に酒井宏和理事長を訪問。酒井さんは民介協の理事でもあるので何度か東京で会っている。「ぽれぽれケアセンター白橿」は地域密着型特養、グループホーム、ショートステイ、リハビリ強化型のデイサービス、ケアプランセンター、住宅型有料老人ホームそれに職員向けの保育所を備えた複合施設。ぽれぽれグループは社福のうねび会と株式会社のひまわりの会で構成されるグループ。創業者は理事長のお母さんで「ぽれぽれ」はスワヒリ語で「ゆっくり、ゆっくり」という意味。前理事長がケニアに旅行した際に「この名前にしよう」となったらしい。入居者も職員もいきいきとしているのが印象的だった。
8月某日
慶應大学商学部の権丈善一先生に取材。当社の迫田が同行。13時から取材などで食堂へ。慶應出身の迫田の勧めで「山食堂」のカレーライスを食べる。権丈先生には日本の社会保障の持続可能性について聞く。社会保障を巡る多くの問題は財源をどうするかだが、給付先行型だった日本の社会保障はその財源的に非常に厳しいのが現実と先生。要はこの現実を国民が受け入れ、負担増に納得するかということだと思う。