モリちゃんの酒中日記 2月その1

2月某日
久しぶりに我孫子から上野経由で神田へ。社保研ティラーレの吉高会長を訪問。佐藤社長は新人議員の秘書仕事に多忙を極めているようだ。吉高会長と雑談しながら缶ビールをいただく。地下鉄の大手町から銀座へ。銀座風月堂ビルでセルフケアネットワークの高本代表を訪ね3月22日の花見の会の概要を聞く。風月堂ビルから歩いて有楽町の東京交通会館へ。ふるさと回帰支援センターの高橋ハム代表を訪問。ほどなく大谷源一さんが登場。3人で銀座のフランス料理店へ。元厚生労働省の中村秀一さん、元読売新聞記者で現在は「子どもと家族のための政策提言プロジェクト」の共同代表を務める榊原智子さんが待っていた。高級フランス料理を堪能。大谷さんと有楽町から上野まで山手線で帰る。上野で大谷さんと別れ、私は上野から我孫子へ。運よく座れた。豪華フランス料理は中村さんと高橋さんにご馳走になる。

2月某日
北海道室蘭市で小中高が一緒だった佐藤正輝君が東京に来るというので新橋駅の機関車前で4時50分に待ち合わせ。私が行くとすでに佐藤君、山本良則君、上野英雄君、大郷君それに山本君の前の奥さんの新谷真理さん、高校から一緒だった中田(旧姓)志賀子さんが揃っていた。大郷君が別に用事があるというので機関車前で記念撮影。客引きをしていた青年にシャッターを頼むと機嫌よく引き受けてくれた。私が予約を入れておいた、ニュー新橋ビル2階の初藤へ。佐藤君、山本君、上野君は小学校からの付き合いだから、およそ70年くらいか、新谷さん、中田さんは高校からだが、それでも60年くらいの付き合いだ。楽しく歓談してひとり3000円ほどの勘定になったが、佐藤君が全部払ってくれた。佐藤君は全員にお土産までくれた。新橋で解散。私は新橋から山本君と上野東京ラインに乗り、山本君は北千住で春日部へ。私はそのまま我孫子へ。

2月某日
「代替伴侶」(白石一文 筑摩書房 2024年10月)を読む。「国連が『世界人口爆発宣言』を行ったのがいまからほぼ半世紀前」という近未来が舞台。伴侶を失い精神的に打撃を被った人間に対し、最大10年という期限つきで、かつての伴侶と同じ記憶や内面を持った「代替伴侶」が貸与されることになった…。というストリー。私はマンガの「鉄腕アトム」を思い出した。最愛の息子を失った天馬博士が息子にそっくりなロボット「アトム」を開発する。
子どもの頃は「鉄腕アトム」に夢中になったが、この小説には夢中になれなかった。舞台が近未来でも小説にはリアリティが必要と思うが、それが希薄なのだ。

2月某日
「別れを告げない」(ハン・ガン 斎藤真理子訳 白水社 2024年4月)を読む。昨年、ノーベル文学賞を受賞した韓国の文学者の作品。韓国の済州島(チェジュド)事件を生き残った母親と、いまを生きる力を取り戻そうとする二人の若い女性が主要な登場人物。済州島4.3事件は1948年に南半分だけの「単独選挙」に反対して済州島民が起こした武装蜂起を契機とする、朝鮮半島の現代史上最大のトラウマともいうべき凄惨な事件である。現代の韓国もユン大統領の戒厳令や大統領の解任など、政治的な混乱が続いている。私はそこに韓国の民主主義の成熟を感じるのだが、逆に未成熟を指摘する識者もいる。私は本書を読んで済州島事件や光州事件を通して韓国民は民主主義を「戦いとった」と思う。本書はもう一度読みたいし、ハン・ガンの他の作品も読んでみたい。