4月某日
昨日、評議員をしている社会福祉法人の評議員会が立川で開催。7時から開催なので6時30分頃、立川に到着、楽勝で間に合うと思ったが会場がなかなか見つからない。何度も来ているのに見つからないとは…。老化の兆しか。霧雨が降り出し、寒さも募り悪寒も。体調を考えて立川駅に戻り、しばし休息。我孫子まで帰ることにする。我孫子駅でトイレによったらバスを乗り過ごす。次のバスまで20分以上あるのでタクシーに乗る。タクシー代900円也。本日はとことんついていない。にしても社会福祉法人の理事長、理事、評議員の皆さん、申し訳ありませんでした。
4月某日
昨年、週刊文春が報じたタレント中居某のフジテレビ女子アナウンサーへの性加害とそれを巡るフジテレビへの対応についての報告書が公表された。公表を報じた新聞やテレビの報道を通じてしかその内容を知ることはできないが、フジテレビの対応はひどすぎないか。たとえてみれば中居某は時代劇に出てくる悪代官で、フジテレビは悪代官を支える越後屋である。悪代官は村の娘に性的暴行を行うが越後屋を通じて事件の隠ぺいを図る。「おぬしも悪よのー」である。悪代官の舞台は江戸時代であり、しかも当時、悪代官が普遍的に存在したわけでもない。中居某とフジテレビの件は現代に現実に起きた事件である。我々はテレビ局の記者に性的暴行を受けた伊藤沙織さんの事件も知っている。権力や権威、不平等を背景にした性的な取引を含む不正な取引は許されない。
4月某日
千代田線で霞が関へ。虎ノ門の渡邉弁護士を訪問、渡邊先生は昨年、フェアネス法律事務所から独立、高田馬場の社会福祉法人の件は引き続き担当しているとのこと。社福を巡る訴訟は敗訴したとのこと。訴えた地主とも電話で話したが意気軒高であった。私はこの件に関わって10年近くになるが、応援する気持ちは変わらない。裁判所も間違うことがある(袴田さんの事件をみよ)のだ。正義は何回負けても、最後に勝てばいいのだ。弁護士事務所を出て、大学の同級生で弁護士の雨宮先生の待ち合わせ場所、「さかなさま」へ。最初から日本酒を頼む。刺身の盛り合わせ、栃尾の油揚げなどをいただいた後、鍋を頼み、最後は雑炊、おいしゅうございました。雨宮先生にすっかりご馳走になる。
4月某日
「アナキズムを読む-〈自由〉を生きるためのブックガイド」(田中ひかる編 皓星社 2021年11月)を読む。私は若年から何度か思想の変遷(それほど大袈裟なものではないが)を繰り返してきたが、最後に行きついたのはアナキズムのようだ。半世紀前の全共闘運動も根底にはアナキズムがあったように思うし、地球環境保護やフェミニズムの運動もアナキズムに通底しているように思う。本書では「チッソは私であった-水俣病の思想」(緒方正人)や「明けの星を見上げて-大道寺将司獄中書簡集」などが紹介されている。私は1870年代のスイスの時計工たちの主張「平等で自由な社会が、権威主義的な組織から生み出されることなどどうして望みえようか」に限りなく共感する。
4月某日
「皇后は闘うことにした」(林真理子 文藝春秋 2024年12月)を読む。林真理子は皇室や華族に大いに興味を抱く。そのこと自体は一般の国民の関心事と同じであり、私も同類である。しかし林は膨大な資料を読みこなし、関係者への取材を行った後に作品を仕上げている。林の興味、関心はミーハーを基礎にしていると思われる。しかしそれを基礎にして立派な文学作品に仕立て上げている。現在、日大の理事長を務め文学活動は控えざるを得ない。将来の文化功労者候補である。宮尾登美子のようにね。