モリちゃんの酒中日記 12月その2

12月某日
社保研ティラーレで吉高会長と佐藤社長に挨拶。新しい社団法人の設立準備で何かと忙しそうだった。15時30分に我孫子駅の改札で大谷源一さんと神山弓子さんと待ち合わせていたがちょいと遅刻。駅前のドトールコーヒーで待っていた2人とレストラン「コビアン」へ。大谷さんからはマスク、神山さんから石巻の銘酒「日高見」を頂く。社保研ティラーレでビールを頂いていたので私はジントニック、2人は生ビールで乾杯。さらに白ワインをボトルで2本空ける。2人によるとこのワインは値段が安い割に「旨い」ということだ。私の誕生祝ということで、今日は神山さんのおごり。申し訳なし。

12月某日
「私が語りはじめた彼は」(三浦しをん 新潮文庫 平成19年8月)を読む。三浦の小説は「まほろ駅前多田便利軒」「舟を編む」などを読んだが、私の印象は明るくユーモアも漂う物語というものだったが、今度の本は不穏な空気感満載という印象。「結晶」「残骸」など6つの短編で構成されている。大学教授の村川とその妻、娘、弟子がそれぞれの短編の語り手ないし主人公となる。ストーリーを要約するのは面倒、やや入り組んでいるので。でも私には大変面白かった。
森まゆみの「聖子-新宿の文壇BAR『風紋』の女主人」で聖子が太宰治と顔なじみで太宰の紹介で新潮社に入社したことを知った。そういえば太宰が「斜陽」という小説の舞台にした伊豆の別荘は私の母方の祖父、加来金升が建てたものだ。「大雄山荘」と名付けられたこの別荘に太宰の愛人であった太田静江が終戦後に滞在し、その手記か日記が「斜陽」のもとになったという。加来金升はアサヒ印刷とかいう印刷会社の創業者だったが戦時中、大日本印刷か凸版印刷に統合されたらしい。戦後も成城に屋敷を構えていが、私が遊びに行ったときは2階を貸していた。加来金升のことをネットで検索していたら「現代史のトラウマ」というブログに出会った。作者は加来金升の娘、加来都の息子らしい。ということは私のいとこ? ふーん、加来都という人のことは母からも聞いたことはないなぁ。母も3年前に死んでしまったし…。

12月某日
御徒町駅近くの「清龍」という居酒屋で呑み会。埼玉県蓮田市に本社のある清龍酒蔵という蔵元が都内に展開している居酒屋チェーンだ。17時集合ということで10分前に行くとまだ誰も来ていなかった。HCM社の大橋会長、ネオユニットの土方さんが登場して乾杯。年友企画の石津さんは17時30分まで仕事ということで遅れて乾杯。石津さんからチョコレートを頂く。土方さんが開発した「胃ろう・吸引シミュレーター」は今年も何台か売れたそうだ。宣伝や営業活動をほとんどやらないで売れたということは商品力があるということ。というわけで今日の支払いは土方さんが持ってくれた。ありがとう。

12月某日
北千住の「室蘭焼き鳥 くに宏」で呑み会。中学校、高校が同じだった5人が集まった。山本君が声を掛けてくれて千葉県警に務めた竹本君、我孫子市役所の坂本君、建築会社の今村君が集まった。5時に現地集合ということで5時前に北千住駅東口に行くと、山本君に声を掛けられる。店に行くと竹本君が来ていた。今村君、坂本君も来る。室蘭焼き鳥の特徴は豚肉と玉ねぎを串に刺したものを甘辛い醬油ダレで焼き、洋辛子を付けて食べるというもの。室蘭焼き鳥やエシャーレットを食べる。私はビールと日本酒を3本呑む。お勘定は一人3000円でお釣りが来た。

12月某日
「国家の尊厳」(先崎彰容 新潮新書 2021年5月)を読む。先崎彰容は1975(昭和50)年生まれ、東大文学部倫理学科卒、東北大学大学院博士課程を修了、フランス社会科学高等研究院に留学という経歴で現在は日大危機管理学部教授である。先崎の書いたものは割と読んできたように思う。先崎をどう評価するか?第4章の「戦後民主主義の限界と象徴天皇」から私なりに考えたい。先崎は2016年、当時の天皇が生前退位の意向を示した「お言葉」に関連して白井聡の「国体論」を取り上げる。先崎によると「国体論」の論点は、安倍政権の「戦後レジュームからの脱却」への批判であり、天皇発言はこうした論調に対する牽制であったというのが、「国体論」で論じられたとする。先崎はさらに白井について「あたかも人々を扇動するかのような語調で、政権批判を書きなぐっている」と評する。白井はリベラル派で安倍政権批判を繰り返してきたことからすると、先崎は反リベラルの保守派であるかのように見える。しかしどうもことはそう単純ではないことが、本書にも出てくる三島由紀夫、ルソー、ハンナ・アーレントなどの評価からうかがえるのだ。先崎先生には新書の執筆やテレビ出演ではなく、日本の思想についての専門書の執筆を勧めたい。

12月某日
社保研ティラーレを訪問。吉高会長も佐藤社長も新規事業の準備で気合が入っているようだ。本日はフィスメックの小出社長、社会保険出版社の高本社長、高本さんの奥さんでセルフケアネットワーク代表の真佐子さんと会食の予定があるので会場の「磯自慢」まで歩く。真佐子さんに高級チョコレートをいただく。「磯自慢」の料理は味が美味しいだけでなく、その見た目や器にこだわりがあるようだ。美味しい日本酒をたくさんいただいた。小出社長にご馳走になる。今月は今のところ3勝1敗1引き分け。何のことかというと勝=ご馳走になる、負=ご馳走する、引き分け=割り勘、である。負けは香川さんに中華をご馳走した件だが、香川さんは酒を呑まないので、引き分けに近い負けであった。